福岡市のスタートアップ資金の信用保証料がゼロになると発表されたのは2016年の1月だ。今回福岡市と同様に国家戦略特区に指定されている北九州市でも開業時に融資を受ける際の保証料がゼロになる。
そもそも保証料とは?
担保がなく信用力も低い取引先に融資する際発生する銀行の貸倒リスクを回避するため、信用保証協会が融資の保証を行う。万が一融資が返済不能になった際はこの信用保証協会が代わりに銀行に返済を行うということだ。
これにより利用者は融資を受けやすくなるかわりに、信用保証協会に保証料を支払う。これが今回福岡市に続き、北九州でもゼロになった。
いくらぐらい得するの?
これまでのレートで考えると、0.75%程度の保証料が通常かかる。仮に返済期間10年で1000万円の融資が決まった場合、保証料として41万2500円を保証協会に支払う必要があった。これがなくなる。つまりこの条件に限って言えば、41万円得することになる。0.75%というとたいしたことがないと感じてしますが、40万以上というと実感がでやすいだろう。この金額は北九州市と保証協会が折半で負担する。
だれが対象になるの?
北九州市内で新たに事業を始めるか、5年以内に始めた起業家などを対象とする。融資限度額は3000万円となっており、7月1日に県保証協が受け付けた分から適用する
福岡市のスタートアップ資金のときにも触れたが、自治体のなかには融資を受けたのちに保証料の一部を利用者に補助するという制度を設けているところは多い。が、福岡市や今回の北九州市のようにはじめからゼロというところは少ないだろう。結局一緒と思うかもしれないが、はじめからゼロのほうがわかりやすいし、手続きもないので当然利便性は高まる。北九州市が国家戦略特区に指定されたことも背景にはあるのだろう。
保証料がゼロになったからスタートアップが増えるとか成長するということではないが、こういった取り組みの積み重ねが起業環境の改善につながっていくのだと思う。