平成28年7月1日に中小企業等経営力強化法が施行された。この法律によるメリットがいくつかあるが、メインは固定資産税の半減だろう。
中小企業等経営力強化法とは?
労働力人口の減少、企業間の国際的な競争の活発化等の経済社会情勢の変化に対応し、中小企業などのの経営強化を図るため、事業所管大臣が事業分野ごとに指針を策定するとともに、当該取組を支援するための措置等を講じるための法律。経営力向上計画の認定及び支援措置を行い、認定支援機関がそのサポートを実施。
といってもわかりづらいが、要は企業が生き残るために事業分野ごとにきちんとビジネスプランをたてて戦略もって経営していきましょう、国はそのサポートをしますし、いままで複雑だった手続きも簡単にします、といったところだろう。
固定資産税を半分にするためにすること
まずは経営力向上計画を作る
経営力というもの自体がわかりにくい言葉ではあるが、公開されている説明によると
企業の概要、2現状認識、3経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標、4経営力向上の内容など簡単な計画等
ということだ。実質2枚の書類を作ることになる。この策定には認定支援機関がサポートしてくれるようだ。
ここで注意が必要なことがある。事業分野別指針だ。これもわかりづらいが事業分野別に担当する省庁が経営計画に盛り込むべき指針を出して場合がある。この指針にそって計画を立てる必要がある。この事業分野別指針というのが曲者だ。わかりづらい。サイトで公開されているPDFも縦書きの固い文章で読む気を削がれる。認定支援機関からサポートを受けるとしたらここの部分のアドバイスを求めるべきだろう。
工場会による証明書
固定資産税の減免を受けるためには計画書に加えてこの証明書を一緒に提出することが必要だ。これは設備を購入するメーカーを通じて取得する。詳しくは購入する見込みのメーカーに相談することになる。
計画を作ったら申請
申請先は自分のビジネスのカテゴリーにより異なる。小売なら各地域の経済産業局、飲食関連なら農政局といった具合だ。
認定を受けたたら固定資産税の支払い先である自治体に
認定を受けた計画書の写しや工場会の証明書を添付し、納税書類を自治体に提出すれば晴れて固定資産税が減免される。
いくら安くなるの?どんな設備が対象?
平成28年7月1日から平成31年3月31日までに 生産性を高めるための機械装置を取得した場合、その翌年度から3年度分の固定資産税 を、当該機械装置にかかる固定資産税を1/2に軽減。
その要件は以下のとおりです。
- 販売開始から10年以内のもの
- 旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上するもの
- 160万円以上の機械及び装置であること
固定資産税の軽減以外の特典。金融支援について
固定資産税の軽減以外の特典として各種金融支援が用意されている。信用保証協会の保証枠の拡大などのほかは商工中金の低利融資などが用意されている。が、その多くは一定の規模がある企業向けとなっている。
今回の施策は、書類の簡素化などの手続き面の改善といっているがその実窓口が複雑化しているといったわかりづらい側面もまだまだ多い。しかしながら、固定資産税を軽減するというのは、これまでなかったこと(生産性向上設備投資促進税制は法人税が軽減対象)固定資産税なので赤字の企業にとっても減税効果が得られる制度となっていることなど評価すべき点もある。これがブレイクスルーとなってよりよい施策が今後も生まれることを期待したい。
また160万以上の設備投資を検討するスタートアップはチェックしておいたほうがいい制度だろう。