北九州市の人口減少が顕著だ。
まず九州各県の総務省発表、平成27年の人口の転入出状況を見てみよう。
では福岡市と北九州市、熊本市の九州に所在する政令指定都市ではどうだろうか。
福岡市は大幅プラスだ。首都圏を除けば札幌と福岡は抜きん出て転入超過となっている。
ちなみに札幌市が札幌以外の道内において病院不足につき高齢者の転入が顕著だが、福岡市は幅広い世代で転入超過となっており、現役世代、若者世代の転入も多い。大学や若者世代の職場が多いためだろう(ちなみに北海道としては人口減となっている)。
まとめると福岡県全体としては増加、福岡市は大幅増加、北九州市は大幅減少となっている。
北九州市は全国の市町村で最も人口が減っている市町村となった。2004年に100万人を割り、同年5月に一旦100万人台を回復したものの、2005年1月以降は100万人台を回復することなく、毎年平均4000人程度減少が続くいている。
もちろん北九州市も手を打っていないわけではない。
「世界の環境首都」としてスマートコミュニティづくりに取り組んでいる。再生可能エネルギーの導入等を行い、リサイクルなどの環境関連ビジネスを拡大させている
経済の活力を維持するためには現役世代の数を維持することが重要だ。
北九州市は創業特区福岡市に負けじと起業支援に取組んでいる。北九州市は街ぐるみで起業を支援するため、産官学民金からなる「スタートアップネットワークの会」を設立。“寄り添う支援”で日本一起業しやすい都市「スタートアップ都市 北九州」として積極的に施策を打っている。
北九州スタートアップラウンジTOKYOと銘打った移住を促進するイベントを東京で開催、学び、集い、つくる場所として他にない魅力をもつコワーキングスペースfabbitでの定期的なイベント開催など精力的に取組んでいる。
他にない取り組みとして、北九州市は自治体としては全国で初めて日本政策金融公庫と組んでベンチャー起業支援の融資制度を創設した。
創業者は、市の後ろ盾に得て信用を得やすいメリットがある。
北九州市のIT企業「レセプター」が、既存の交通系カードを使って買い物客が集めている店舗別のポイントカードを一括管理するシステムの事業化に成功した。
同社は北九州市独自の上述の融資制度を活用。システム開発費として公庫から500万円を調達。事業化に当たり北九州銀行から300万円を調達した。
自治体が個別のスタートアップの資金調達に積極的に関与するケースは珍しい。このような起業支援体制の充実は行政の危機感の裏返しでもあるが、スタートアップにとってはありがたい状況ではある。活用できるものは活用していくべきろう。
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