スタートアップにとって、イニシャルコストとして大きいのがオフィスにまつわるものだ。オフィスの保証金もその多くを占める。その保証金を大幅に抑えるサービスが「とっくに保証くんNEXT」だ。
「とっくに保証くんNEXT」プロジェクトとは?
日本商業不動産保証が、三好不動産、日本政策金融公庫(九州広域営業推進室)とともに、国家戦略特区に指定され創業支援を掲げている福岡市の創業者支援及び起業促進を図るために発足したプロジェクト。
具体的には?
対象物件の紹介(三好不動産)
本プロジェクトに賛同するオーナーを募り、事務所等を借りる事業者へ対象物件を提供
敷金の大幅減額(日本商業不動産保証)
対象物件に保証を提供することで、賃貸借契約の際に預ける敷金・保証金を最大で8割減額できる。敷金・保証金を少額に抑えることで、事務所等を借りやすくする。
創業融資にあたり、事業計画策定のサポート・審査の迅速化・物件情報の提供 (日本政策金融公庫)
業融資にあたり、事業計画策定についての具体的なアドバイスを行う。審査の迅速化を図り、物件の早期確保を推進する。具体的な物件情報を提供する。
誰が対象?
創業前及び創業後5年以内で、福岡市内に事務所等を借りる事業者が対象だ。
新たな参画企業3社と支援内容について
株式会社NTTドコモ(NTTドコモ九州支社)― 通信環境の提供
株式会社NTTドコモが提供するクラウド型Wi-Fiサービス「ドコモ光ビジネスWi-Fi」の加入初月の1ヶ月間無料、新規で社用スマートフォンを契約する際の頭金が無料、ブロードバンド回線・オフィス向けWi-Fiといったオフィス通信環境の整備代行などを行う。
株式会社アイ・ビー・ビー ― インキュベーションオフィスの運営、経営支援
起業や創業をするために活動する入居者を支援するインキュベーションオフィス「ibb fukuoka」を運営。割安な賃料での入居が可能。また、企業のステージに沿った経営プログラムを提案・企業の経営支援・IPO支援も行う。
株式会社ミナミ商事 ― オフィス設計・導入家具支援
オフィスの内装設計の企画立案から内装工事、配線工事までワンストップでサポート。
最近ではスタートアップ向けのコワーキングやインキュベートが充実してきている。が、その後の成長に応じ、人が増えた場合はオフィスということになるが、保証金の高さがハードルになる。そこが大幅に低減できれば喜ぶスタートアップも多いだろう。
ただし、保証金は資産計上でき、また退去する際は保証金の戻りもあるが、この制度を利用した場合には保証会社に経費としての保証料を払うことになる。長期の財務を考えるとどちらがよいかは利用者の選択すべきところだが、キャッシュフローにはプラスに働くのは間違いない。そういった意味では融資と近い性質があるともいえる(保証料を利息とみなす)。このようなサービスをうまく活用して経営を安定させるのも一つの選択肢だろう。