昨年12月、北九州市が特区に選定されたことを知っているだろうか。
創業特区の福岡市が国家戦略特区であることはかなり浸透してきていると思うが北九州も国家戦略特区であることは意外に知られていない。では何の特区か見てみる。
特区のテーマは高年齢者の活躍や介護サービスの充実による人口減少・高齢化社会への対応だ。
以下ポイントをまとめていく。
なにができるのか(今後の予定)
・介護ロボットの利用促進
介護施設内においてロボットの使用を制限する規制緩和を行い、全国に先駆けて実証実験を行う。
・シニア向けハローワークの設置
・福祉施設の運営に市役所の職員が携わることなどを想定した人材の流動促進
・民泊の促進
テーマとできることから分かるように高齢化への対応が北九州特区の中心のようだ。
背景としては北九州市は住民のうち65歳以上の高齢化率が28.5%(9月末時点)と、政令指定都市で最高となっており、全国の大都市に先んじて高齢化が進んでいることがある。介護分野の人材不足などの問題が全国より先立って顕在化していく。
一方、北九州に本社を構える安川電機や九州工業大学を中心として、ものづくりを先導する地盤がある。
つまりは社会問題としての高齢化が進んでいる一方、ものづくりは得意分野であり、その得意分野を活かして介護ロボットをつくり高齢化問題のソリューションとして育てていく、ということだ。
その先には高齢化問題のソリューションをビジネスとして海外への売り込みなども進めていきたいということだ。
問題があるところにはニーズがある。非常に大きな問題である高齢化問題にソリューションを提供できれば大きなビジネスとなり得る。今後北九州市にて、介護ロボット以外でも高齢化の分野の規制緩和が進んでいくことを期待したい。