福岡市は、福岡市においてスタートアップする外国人起業家をサポートするためにスタートアップ賃料補助をスタートした。スタートアップビザに続く外国人起業家誘致政策の第2の矢といったところだろう。
誰がもらえるの?
福岡市において初めて2016年1月1日以降に創業(創業予定者を含む)し,かつ以下の要件を全て満たした外国人を対象とする
- 「経営・管理」の在留資格(スタートアップビザの取得者も事業認定の申請はできるが,補助金申請時は在留資格の更新が必要)を取得していること
- 福岡市で長期間事業を継続する意思があること
- 福岡市に居住すること
- 国税及び地方税を滞納していないこと
スタートアップビザの取得期間においても、補助金をもらうための認定申請は可能。しかし、実際に補助金を受け取る時までには、経営・管理の在留資格を取得している必要があることは注意点だ。
どんな業種のスタートアップでもいいの?
すべての業種が対象となるわけではない。福岡市の国際競争力の強化や雇用の拡大を図ることため以下の業種に限定されており、その中で優れた事業と福岡市に認定されることが必要。
- 知識創造型産業(半導体関連,ソフトウェア開発,コンテンツ制作,ロボット関連など)
- 健康・医療・福祉関連産業(創薬ベンチャー,医療技術開発,再生医療,福祉用機器開発など)
- 環境・エネルギー関連産業(クリーンエネルギー開発,次世代蓄電技術,地球情報システムなど)
- 物流関連業(グローバルSCMサービス,3PLサービス,国際宅配,ドローン物流開発など)
- 貿易関連業(市内産品の海外販路開拓に資する事業,博多港・福岡空港の機能を活用する事業など)
どんな経費がいくら補助されるの?
起業家本人の住居の補助
民間の賃貸物件の家賃が補助対象。金額は70,000円/月でかつ1ヶ月の賃料の50%以内。つまり家賃10万円のマンションなら月5万の補助。家賃18万のマンションなら7万円の補助となる。
事業所の補助
インキュベート施設やオフィス等の民間の賃貸物件が補助対象。賃貸契約しているものが対象だ。金額は50,000円/月でかつ1ヵ月の賃料の50%以内。つまり家賃8万のオフィスなら4万円、12万のオフィスなら5万が補助される
なお住居兼事務所の場合は住居及び事業所の補助上限額の合計が補助対象となる。いずれも1年間が補助対象なので月7万補助を受ければ年間84万だ。
何人くらいがもらえるの?
5件程度の採択が予定されている。いずれにせよ、まずは優れた事業であると事業認定を受ける必要がある。流れとしては事業認定をうけたのち、補助金の申請を行い、その後実際にかかった家賃の実績報告を行ったのちに補助金が交付される形だ。
最近、スタートアップビザの影響もあり福岡でスタートアップする外国人起業家が増えている。天神COLORにもスタートアップビザを利用しているスタートアップも入居しているし、スタートアップカフェでは外国人からの相談の割合が増加している。福岡がグローバルスタートアップ都市として、他の都市と違った特徴を出していくにはいい傾向だと思う。
彼らに福岡を何故選んだのかをきくと、第一に福岡市民がもつオープンマインドをあげ、次に都市と自然が近く、生活しやすさを上げる。よく言われることではあるが、きっとこれらは彼らの本音だろう。だとすると、グローバル展開を考えるにあたり福岡市は他にない強みをもともと持っていることになる。
スタートアップビザに続き、今回の賃料補助のような政策がこの流れを後押しし、一過性のものではなく、カルチャーとしてつくっていけると次の展開が見えてくるように思う。