先日、東京の知人が「福岡っていつもイベントやっているね」と言っていた。
現在福岡では毎日のようにどこかで規模や内容を変えながらイベントが開催されている。
イベントというのは、スタートアップ、起業、経営、IT関連、デザイン関連などをテーマとした、ピッチイベントやセミナー、マッチングイベントなどを指す。規模は数人のごく小規模なものから数百人を集めるものもある。
Facebookをつかえば今日どこにいけばイベントに参加できるか誰にだってわかるだろう。
数が増えれば、多様性が増す。
福岡スタートアップセレクションは昨年11月と1月26日の2回にわたり開催された。主催は福岡市だ。その趣旨は「地場企業の新たな事業展開や成長・発展、地域経済の活性化のため、既存企業が創業で生まれた新しいサービスを、技術、アイデアを活用し、イノベーションを起こすためのスタートアップ企業とのマッチング」をすることだ。
既存企業とは聞きなれない言葉だが、起業したての企業以外の企業を指すと思われる。つまり中小企業及び大企業だ。なお、福岡市のいうスタートアップは一般的な意味での創業を指す場合が多く、急成長志向の新興企業を指すいわゆる「スタートアップ」とは異なる使われ方をするので注意が必要だ。
さてこのスタートアップセレクションの二回目に参加したが、いつものイベントには参加していない層が多い。
スーツ姿の割合が高い。
いつも開催されているイベントでは見かけないような方々が多い。
福岡市が主催し、商工会議所などの協力を得て集客してことでいつものスタートアップイベントの情報がリーチしない層にまでリーチし、参加者が増加したようだ。
つまり、このイベントはマッチングを目的に行われているが、副次的な効果(狙ったものだろう)として中小企業、大企業などこれまでスタートアップに関心も興味もなく、また知るきっかけもない人たちに対してスタートアップがどういうものか触れてみるきっかけであり、マインド作りをしているのだ。
会場では2つのスクリーンでピッチや講演が進行。
ドレミングアジアの桑原さん、アネクトの木村さん、diffeasyの白石さんなどが自社のビジネスをPRしていく。
会場を取り囲むように大企業の相談ブースが設けられており、商談の順番待ちができていた。
多様性がないものはいずれ衰退する。
今回は福岡市が主導したことでイベント参加者の裾野が広がった。スタートアップに関わる人、企業を巻き込んでいくことがスタートアップを一過性のブームでおわらせないためにも重要だろう。
スタートアップセレクションでマッチングできたスタートアップと「既存企業」の今後の発展をウォッチしていきたい。
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