新聞社がクラウドファンディングに挑戦!
といってもどこかのクラウドファンディングでプロジェクトを出しているという話でなく、新聞社自身がクラウドファンディングを運営しているという話。
大企業だって安泰じゃない
ちょっとチープな言い回しではあるが、現代は新たな産業が既存産業のポジションをガンガン奪おうとしている。
メディアの分野では特に情報技術=ITと直結した分野であるので、とくにそのスピードは速い。
オールドエコノミーの代表とも思える新聞社が安定的な地位を確保できていたのは過去の話。今後同じようなビジネスモデルを続けるだけでは将来はない。これは新聞社内外が認めるところだろう。
ちなみにインターネットでの広告売上の統計が確認できた2006年以降のメディアごとの売上推移を見てみると2011年以降に新聞とインターネットが逆転している(経済産業省発表のデータより引用、単位百万円)
そんなレガシーな新聞社ではあるが、今時点においてなお強力な取材力、発信力をもっていることは間違いない。
強力な発信力を活かせるうちに次のビジネスモデルを模索している。
そのひとつとしてクラウドファンディングに挑戦しているようだ。
プロジェクトとしてクラウドファンディングのプラットフォームに自社商品を出すメリットとして、1量産前に量産のための資金が得ることができる、2アーリーアダプターに接触しテストマーケティングの機会となる、3クラウドファンディングのプロジェクト自体がPRの場となる ことなどがあげられる。
対してプロジェクト成功のためには、プロジェクトが魅力的であることはもちろんのことクラウド=群衆にどうやって情報をリーチさせるかが重要となる。
新聞社は自社の強みである発信力を活かしてプロジェクトを成功に導きやすいクラウドファンディングのプラットフォームを運営しようとしているのだろう。
朝日新聞、読売新聞などの全国紙、上毛新聞、静岡新聞などの地方紙がすでにクラウドファンディングに乗り出している。
朝日新聞が運営するA-portが先行しており、すでに2000万円を超える金額を集めたプロジェクトが誕生している。
そのような流れのなか、福岡・九州にて展開する西日本新聞もクラウドファンディングに乗り出した。
様々なクラウドファンディングサイトが生まれる中、西日本新聞社のクラウドファンディングサイト LINKSTARTは以下の特徴で差別化を図っている。
1 九州に特化したクラウドファンディングサイトであること
2 九州最大のメディア網である西日本新聞社の広報力を活かした支援、フォローが受けられること
3 GREENFUNDING by T-SITEがパートナーとして入り、プロジェクトを転載すること
やはり西日本新聞の広報力、発信力が一番の差別化要因であり、プロジェクトの出す側にとっては最大の魅力となるだろう。
昨年6月にスタートしたLINKSTART。これまで4件のプロジェクトが挑戦し、3件が目標金額を達成している。
新聞の発信力を活かし、今後クラウドファンディングを使ったことがない層、ネットで買い物をしない層まで情報を届けて、クラウドファンディング自体の裾野・市場を拡大して欲しいところだ。
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