世界中で行なわれているstartupweekend。今回は世界初となる温泉旅館付きのstartupweekendがおんせん市、大分県別府で開催された。
スタートアップウィークエンドについて
金曜夜から日曜夜まで54時間かけて開催される、「スタートアップ体験イベント」。週末だけで参加者はアイディアをカタチにするし、スタートアップをリアルに経験することができる。
さて、世界初温泉付きStartupweekendだが別府の温泉旅館ニューツルタを舞台に行なわれた。参加者は約30名。五つのチームにわかれて3日間でプロダクトを作り上げた。
プレゼンの舞台となるのは音温
プレゼンはニューツルタを離れて、別府市内のライブハウス音温(ネオン)に舞台を移して行なわれた。最終プレゼンのスタート前に日本のStartupweekendを取りまとめるNPOstartupweekendの李理事長の喝入れ。
李理事長曰く、「3日間で作れるプロダクトは限界がある。今からプレゼンをして、叩きのめされるかもしれない。しかしそれは起業家への第一歩だ。この3日間の目的は完成されたビジネスを作り上げることではなく、自分の現在地を図り次のステップへ進むことなのだ。」
審査員が異様に豪華
大分発のファミレス、ジョイフルを率いる穴見氏(現在は衆議院議員を務める)、モバイルクリエイトの村井社長、長野別府市長など8名がジャッジを行った。ジャッジの顔ぶれから大分のベンチャーに対する盛り上がりを推して知ることができる。
今回チャレンジしたのは以下の5チーム
チームNo.1
わかりにくい法律の内容を、イラストを使って市民がわかりやすい形で情報を提供将来的には市民と行政をつなげるプラットフォームの提供を目指す。ジャッジの別府市長の評価が高く、行政側からのニーズの高さを感じるサービス。
スマスパ
貸切温泉と利用者をマッチングするサービス。温泉好きなメンバーが考案。貸切温泉の稼働率改善を行う。マネタイズは決済時の手数料収入。
Dear Woman
女性のデリケートな悩みである生理に着目。自分にあった生理用品をオーダーメイドでピックアップし届ける。また集めたデータを将来ビッグデータとして提供を目指すプラン。
シフリス
地方における労働人口不足に着目。効率的に空き時間を利用して働けるサービスを展開することでシフトの穴を埋めたい経営者とスポットで働きたい労働者をマッチング。
ともしび
伝統工芸業社が大きく減少している現状に着目。後継者不足、人材不足が一因と考え伝統工芸と移住者をつなげる人材紹介サービス。
各チームとも、さまざまな業界で働く人たちが混ざり合ってチーム構成しており、それぞれのリソースを活かして3日間で作ったとは思えない完成度のプランを披露。
しかし審査員からはかなり厳しめの指摘も飛ぶ。あくまでビジネスとしてやっていけるかどうかという視点でジャッジを行っているからこその指摘。
結果発表
急遽設定された別府市長賞を受賞したのは
ともしび
伝統工芸業界をなんとかしたいというアプローチする姿勢が評価されたようだ。
準優勝は
シフリス
ビジネスモデルとしてはかなりの高評価。残念ながらチームにエンジニアが不在であったことでプロトタイプがなかったことと、実際にビジネスとして展開する場合はかなりのパワーが必要となるモデルであり、プレゼンにもう少しパッションを感じさせたかったところ。
優勝は
Dear Woman
ありそうでないサービスであり、市場開拓する可能性の高さを評価された。また男性主体のメンバー構成ながら女性の目線を多く取り入れており、検証の正確さが評価された。
結果はこのようになったが、代表の李氏が語るようにこの3日間の結果が重要な訳なわけではない。この場で得た経験値と掴んだネットワークを糧にぜひ世界にインパクトを与えるアントレプレナーが生まれることを願う。