クラウドファンディングはプロトタイプの段階からテストマーケティングを行いつつ、商品化の資金を獲得できるプラットフォームとして浸透しつつある。
今回、ソフトバンクが提供を開始した+Styleはそのクラウドファンディングに機能を追加し、差別化されたプラットファームだ。以下、その差別化ポイントを見ていく。
消費者参加の商品企画「プランニング」
通常のクラウドファンデイングでプロジェクトを開始する場合、プロトタイプがある程度形になっていることが必要であるが、+Styleでは、プランニングの段階からスタートする。
企業が製品のアイデアなどを「+Style」に投稿、興味を持ったユーザーから意見を募集する。投稿した企業はスケッチや動画などを用いて商品コンセプトや特長をアピール、ユーザーは投稿されたアイデアに意見を述べることで、企業とユーザーが商品化に向けて一緒に企画を進めていくことが可能となる。
事前に商品購入を募って商品化「クラウドファンディング」
「プランニング」でユーザーとともに練り上げた商品企画を生産前にクラウドファンディングにて資金を募る。
マーケティングの場としても活用できる「ショッピング」
「プランニング」などを経て作られた商品をはじめとする一般販売前の商品などを、先行や数量限定で販売可能とする。クラウドファンディングと一般販売の中間に位置するイメージだろう。
ものづくりサポーターズによる支援
アイデアを商品化する過程を下支えする「ものづくりサポーターズ」を結成。それぞれの分野に秀でた企業に、資金、設計、開発、生産などのサポートを受けることにより、革新的な製品、サービスを生み出すことができる環境を提供する。ものづくりサポーターズにはDMM.make AKIBA、Foxconn、Intelなど複数の企業がパートナーとして参加する。
商品化後の販売もサポート
ソフトバンクショップや量販店など、同社が持つ強力な流通網も活用して販売支援も行う。
第1弾として、リビングルームや寝室などの天井照明用ソケットに取り付けるとスマートフォンなどで操作することができる「Multifunctional Light(」(ソニー株式会社)や、スマホでエアコンON/OFFや温度調整ができる温湿度センサー内蔵のエアコンIRブラスター「Rattan LeOne Smart Air Conditioner Control」、季節に合ったスペシャルティコーヒー豆を配達してくれて、アカイアのスケールとアプリを使って豆の種類に合わせた最適なお湯の注ぎ方や分量を教えてくれる「Acaia Coffee Club(アカイア・コーヒークラブ)」など、アイデアや試作中の製品29種類を2016年4月下旬までに順次公開していく。
アイディア段階から販売まで支援するプラットフォームとしては面白い取り組みだ。今後、どのようなプランがでてくるか楽しみでもある。