電子書籍を使っているだろうか?
いつでも読めて、場所もとらない電子書籍。メリットもある反面、本の質感や使い勝手にはまだ及ばない点もある。
とはいえ、便利なことは間違いない。ITの波にのって一気に普及するかと言われ続け久しいが、実際に現時点の普及理率はどうだろうか。
2015年12月時点の状況
(ジャストシステムが公表したモバイル&ソーシャルメディア月次定点調査から引用)
現在利用していると答えた割合は19%にとどまる。利用予定が4.6%、利用を検討が9.5%。
検討まで合わせても33.1%と3割を下回る。
逆に利用するつもりがないが43.3%、関心がないが23.4%だ。このデータを見る限り、現状では急激に電子書籍の普及が進むことは予想しがたい。
なぜ電子書籍は普及しない?
まずあげられる要因はコンテンツの不足だろう。日本の場合著作権を出版社が持っていないなども問題があり、一気にコンテンツを増やすのは難しいシステムとなっている。とくに漫画が市場の大きなシェアを占めている以上、漫画を電子化できないと普及は難しい。
電子書籍を利用している層は?
利用していると答えた割合が最も高いのは35歳から39歳までの男性層で、42%と全体平均の2倍以上となった。女性はどの年代においても利用率は低く、18%を超える利用率の年代はなく、60歳から64歳までの年代は2%と極端に低い。ちなみに同年代の男性は16%の利用率だ。
電子書籍に関心がある層は?
利用を検討したいと答えた割合がもっとも高いのは30歳から34歳までの女性層で20%となった。
35歳から39歳男性層を除くすべての層が「利用するつもりはない」がトップ
そもそも利用するつもりがない層がマジョリティである限りは急激な展開は難しい。
紙の本でそもそも不便に感じていないから、電子書籍に移行しないのだろう。電子書籍は、コンテンツ不足、デバイスが必要、ユーザー側リテラシーの問題と意外と障壁があり、レートマジョリティやラガードをその障壁を超えるには場所をとらないなどのメリットだけでは、力不足感はいなまない。
価格面やそれ以外のところでブレイクスルーがなければ一気にマーケットが広がることはしばらくないように思える。