自治体が、マーケティングやテスト採用により販路拡大を手助けする施策がある。いわば行政によるオープンイノベーション。福岡市では現在福岡市トライアル優良商品創出者を募集しており、北九州市では北九州市トライアル発注認定新商品を募集中だ。締め切りが北九州は6月3日、福岡市は6月22日にせまっているため、興味がある方はお早めに。
トライアルのメリット
福岡市の場合
「福岡市トライアル優良商品」として認定し,広くPRするとともに,展示会への出展支援や庁内利用の推進により中小企業者の販路拡大を支援する。
北九州市の場合
- 認定新商品は北九州市のホームページで公表。企業や商品のPRとなる。
- 認定期間中は、ニーズや価格条件が折り合えば随意契約での受注が可能。
- 試用・購入された場合、販路開拓の際に市による採用実績として活用できる。
- 専門家による今後の販売戦略作りへのアドバイスが受けられる。
北九州市では随意契約での受注も可能となっている。
どんな企業が対象?
中小企業が対象となる。ただし、北九州市の場合、1年以上事業が経過していることが必要だ。詳細は各自治体HPにて確認が必要。
対象となる商品は?
福岡市の場合、食品,医薬品,医薬部外品,化粧品,農薬,工事における工法及び技術は除く、発売から5年以内の商品、サービスとなっている。北九州市の場合には年数の制限ははないが、これまでに経営革新計画の認定などの公的支援を受けているものに限っている。
福岡市と北九州市のどちらにもある似た名前の支援策であってもよく中身をみると、少しずつ違いがある。どちらかというと福岡市がスタートアップのサービスでも認定し、一緒にPRする(反面、リスクがあるので受注まではない)、北九州市は受注までも最初から想定している(反面スタートアップには少し使い勝手が悪く、既存の中小企業には使いやすい)と方針の違いが見て取れる。もちろん、福岡市、北九州市以外にも同様の性格の支援施策はある。どれが優れている、劣っているということではなく、自分にあったサポートが受けられる自治体でスタートアップをするのも一つの選択肢だ。