予算を見れば、行政の方向性がわかる。2月12日に福岡市の平成28年度当初予算案が公表された。創業特区、福岡の来年度の方向性を見てみる。
スタートアップ関連で当初予算概要に列挙されているのは以下のとおりだ。
・グローバルスタートアップ推進事業
海外のスタートアップ拠点とのネットワークを構築し,グローバル展開を 見据えた創業が可能となる環境づくりを推進
・中小企業とスタートアップ企業マッチング事業
既存企業とスタートアップ企業とのビジネスマッチングイベントを開催し,地場企業の新たな事業展開や成長・発展を促進
・グローバルスタートアップ発掘・投資促進事業
福岡市で活躍するスタートアップ企業を発掘し,投資家への情報提供, 投資家とのマッチング等により成長を促進
・IoT拠点形成事業
IoT産業の拠点化に向け企業間の交流機能を強化しネットワーク構築 を図るとともに,地場中小企業による開発・実証事業等を支援
・先導的スタートアップ推進事業
国家戦略特区をけん引するようなプロジェクトを支援
・外国人創業活動促進事業
国家戦略特区における在留資格申請時の要件緩和を実施し,外国人の 創業活動を促進
・外国人創業環境形成事業
人材集積を図るため,創業する外国人の住居や事務所の確保を支援
・北欧ビジネス交流促進事業
フィンランド航空の就航の機会を捉え,北欧においてビジネス マッチングを目的とした交流会等を実施
・ 民間創業拠点支援事業
民間インキュベーション施設の機能充実を図るため,入居者の起業・創業 を支援・育成する体制整備を促進
・アントレプレナーシップ教育
小中学校へ起業家などを招聘してキャリア教育を実施
福岡市のキーワードは「グローバル」のようだ。
このなかで来年度新たに予算化されたものはグローバルスタートアップ発掘・投資促進事業、中小企業・スタートアップ企業マッチング事業 、民間創業拠点支援事業 、アントレプレナーシップ教育以外のものだ。
とすると気づくのは、新たに追加された施策の中で「グローバル」と「外国人」というワードの多さだ。海外の企業、人材を呼び込んでくることに注力されていることがわかる。
またその一方で「海外のスタートアップ拠点とのネットワークを構築し,グローバル展開」とあるように福岡のスタートアップのグローバル展開を後押しする姿勢も見える。
一方で
中小企業とのマッチングや民間創業拠点支援事業について拡充とはならなかったが継続されており、今年度の後半行われたスタートアップセレクションのような取り組みは継続されるのだろう。
逆に昨年列挙されたていた事業が今回の概要には載らなかったということも当然ある。
国にまで目を向けると昨年まで多くなかったIoTというワードが急増している。
スタートアップにとっては行政の動きはそんなに気にする必要はない。しかし傾向だけでも押さえておけばアンテナを高くたもてるかもしれない。