クラウドファンディングは3つの類型がある。購入型、寄付型、投資型だ。現在のメインストリームはMAKUAKEに代表される購入型クラウドファンディングだろう。
購入型クラウドファンディングには、生産に入る前に初期投資の資金が得られることのほかに、生産前からメディア露出を含めたPRができることやテストマーケティングができる、コアなファンな獲得、そこからのフィードバックが得られることなどのメリットがある。
その購入型クラウドファンディングと融資を組み合わせて、シナジーを生み出すパッケージが東北で生まれた。
一般社団法人MAKOTO(以下マコト)と日本政策金融公庫仙台支店が取り扱いを開始した、日本初となるクラウドファンディング一体型パッケージ融資「チャレンジスタート☆応援融資」だ。
このパッケージは日本公庫がスタートアップへの融資をまず決定。その後、マコトのクラウドファンディング、「チャレンジスター」でプロジェクトを開始。資金募集時に日本公庫による融資決定を明記し、事業の信頼性を高め、より多くの資金獲得につなげる。募集の目標額が達成されれば融資を実行する。つまり、プロジェクト成功すれば融資実行、未達成なら融資の条件が満たせないので融資は実行されないことになる。
このパッケージをスタートアップ、マコト、日本公庫の三者の視点で見てみる。
スタートアップはクラウドファンディングのメリットを享受した上で、もしプロジェクトが成功した場合にはブーストをかけるための資金を調達できるのでビジネスのスピードを上げられる。
マコトは融資が決定していることでプロジェクトの信頼性が増し、プロジェクト成功率の向上が狙える。
日本公庫はスタートアップが上述のクラウドファンディングのメリットを得ることでスタートアップの成功率があがり、融資のリスクヘッジにつながる。
なかなかいい組み合わせだ。
マコトはこれまでも再チャレンジ特化型のファンドを設立するなどかなり尖った動きをしている。東北も面白そうだ。