全国やグローバルをはじめから狙うビジネスの場合、地域の商圏は関係ないが、面で地域を狙っていくビジネスの場合、商圏とマーケットを知っておく必要がある。
RESASって知っていますか?
RESASとは経済産業省などが開発した地域経済分析システム。主に産業マップ、観光マップ、人口マップ、自治体比較マップの4つで構成されている。
といってもイメージがわかないので具体的につかってみよう。
ケーススタディ
例えば介護事業者向けサービスを開発し、まずどこかの地方都市で集中的に展開したいと考えたとしよう。
その際にまず知らないといけないのは
1 介護事業者数
2 高齢者人口
3 マーケットの動向
この3つだろう。
ではRESASを使って調べてみよう。
例えば佐賀県と鹿児島県について見てみる。
佐賀県の人口構造について
鹿児島県の人口構造について
人口自体の総数が違うので当然鹿児島の方が老年人口の絶対数は多い。また人口構成比を見てみると佐賀より鹿児島のほうが2%ほど高くより高齢化は進んでいる。
ただし、老年人口の伸び率は佐賀が約1.1に対し、鹿児島が約1.08となっており今後の高齢化のスピードは佐賀の方が早い。
RESASでは人口について2040年まで予測比較もできるのでそちらも参考にしてみるとよいかもしれない。ちなみに2040年時点で佐賀は老年人口が約24万人に達し、人口割合の35%となる予測だ(鹿児島は約49万人で人口割合37%)。
事業者数について
佐賀県の事業者数
鹿児島の事業者数
佐賀、鹿児島とも介護分野の事業者は増加傾向だ。ここでも市場規模の違いから鹿児島の方が倍以上の事業者があることになる。
つまり、まず一つの県で介護事業向けサービスを始める場合、鹿児島の方がマーケットは当然大きい。伸び率は佐賀が1.15に対し、鹿児島が1.13と多少佐賀の方が高いようだ。
産業別特化係数 では
介護事業を産業別特化係数で見てみる。産業別特化係数とは大まかにいうと全国平均値比べてどうかをみるためのもので1を全国値とし、1を超えていれば、全国値を上回ることになる。
佐賀
鹿児島
佐賀、鹿児島とも共通して、付加価値額は全国値を上回っていることがわかる。ただし、従業者数も多く、結果的に労働生産性が全国値を下回る結果となっている。
ここまでで推測できることは、両県とも高齢化の加速にともない、付加価値額はあがっているが労働生産性が低く、従業員一人あたりの給与の低さなどをうかがい知ることができる。
ちなみに介護事業の場合、付加価値額は都会地ほど低い傾向にある。
自社にあった場所でビジネスすることが大事 面で押さえて横展開を目指すビジネスモデルの場合、自社のリソースが豊富にあり一気に大きく展開するのであればマーケットが大きければ大きいところで始めるにこしたことはない。ただし、リソースが限られる場合やテストマーケティングを狙う場合、自社の投下できるリソースにあった地域でやることが大事だ。RESASのような公式にでているデータをうまく活用することも重要だろう。
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