九州大学発のスタートアップ、PicoCELAは、大規模オフィスビルにおいて計137台、平均距離8mの高密度・広域無線IoTゲートウェイ網を構築し、その際のIoT端末 の送信電力が、通常のWi-Fi網を利用する場合に比べて600分の1以下に低減させることに成功した。
新IoTゲートウェイ網構築を作った理由
温度センサーや人感センサー等のIoT端末のインターネットへの接続は、多くの場合、無線IoTゲートウェイを介して行われる。
IoT端末は、バッテリーによる長期運用が期待される場合が多く、また電波出力が厳しく制限されているため、遠方に電波を飛ばすことはできない。そのため分散配置されたIoT端末を収容するためには、無線IoTゲートウェイを高密度に設置する必要がある。
そこで今回、大規模オフィスビルにおいて計137台、平均距離8mの高密度・広域無線IoTゲートウェイ網を構築するに至った。
IoT端末の送信電力を600分の1以下まで低減に成功!
PicoCELAは、大規模オフィスビルにおいて計137台、平均距離8mの高密度・広域無線IoTゲートウェイ網を構築。高効率で安定した多段無線中継 を得意とする独自の無線バックホール技術によって計137台の無線ゲートウェイをわずか5本のLANケーブルでインターネットに接続し、LAN ケーブル配線量を96%削減した。
今回構築した高密度無線IoTゲートウェイ網を活用すれば、IoT端末の送信電力を、通常のWi-Fi網を利用する 場合に比べて600分の1以下に低減でき、IoT端末のバッテリー持続時間を飛躍的に高めることができる。無論、無線IoTゲートウェイ毎の携帯電話加入も不要だ。
■一般なIoTネットワークとの構成比較イメージ
■構築した無線IoTゲートウェイ網の一部イメージ
バズワード的に使われることもある「IoT」だが、実際に世界に強いインパクトを生み出すためには超えなければいけないハードルはある。今回PicoCELAが成功した送信電力の劇的な低減は、このハードルを下げることになるだろう。